LP(ランディングページ)制作の費用相場は、30万〜100万円が中心帯です。
ただし10万円台から300万円超まで幅があり、この差は「デザインの質」ではなくどの工程まで制作会社が担うかで決まります。
安い見積もりは手を抜いているのではなく、構成設計とライティングを発注側が用意する前提になっていることがほとんどです。
そこを知らずに発注すると、「原稿はそちらでご用意ください」と言われて止まります。
この記事の要点
- 価格差の正体は構成設計とライティングを誰がやるか
- 相場は30万〜100万円。10万円台は「デザインと実装のみ」が前提
- LPは作って終わりではない。改善費用を含めて予算を組む
1. 価格帯別にできること

図1:価格帯によって「どこから任せられるか」が変わる。
| 価格帯 | 含まれる範囲 | 発注側の作業 |
|---|---|---|
| 10〜20万円 | デザイン・コーディングのみ | 構成案と原稿を自社で用意 |
| 30〜60万円 | 構成設計・ライティング・デザイン・実装 | 情報提供とレビュー |
| 80〜150万円 | 上記+写真撮影・取材・図版制作 | 方針決定のみ |
| 150万円〜 | 上記+公開後のABテスト・改善運用 | 方針決定のみ |
最も多いのは30〜60万円帯です。
ここが「構成から任せられる最低ライン」になります。
2. 何にお金がかかっているのか
LP制作費の内訳で最も大きいのは、デザインではなく構成設計とライティングです。
見た目の作業に見えて、実際は「何を、どの順番で伝えるか」を決める工程に最も時間がかかります。

図2:費用の約半分は、画面を作る前の設計とライティングに使われる。
構成設計(全体の約30%)
誰に何を売るのかを決め、情報の順序を設計する工程です。
ターゲットによって順序が変わります。
- 顕在層向け:スペック・比較・実績を先に出す
- 潜在層向け:悩みへの共感 → 問題提示 → 解決策として商材提示
ここを飛ばして作ると、きれいだが売れないLPになります。
ライティング(約20%)
スペックをベネフィットに変換する工程です。
たとえば「重さ99gの日傘」を「スマホより軽い、持ち歩ける日陰」と言い換える。
この変換ができるかどうかで成果が変わります。
デザイン(約30%)
訪問者は3秒以内に自分に必要かどうかを判断します。
ファーストビューで掴めなければ、以降がどれだけ良くても読まれません。
実装(約20%)
コーディング、スマートフォン対応、表示速度の最適化、計測タグの設置。
表示速度はGoogle広告の品質スコアにも影響するため、見た目だけの話ではありません。
3. 安いLPで起きること
10万円台の見積もりが悪いわけではありません。
構成と原稿が自社で用意できるなら、合理的な選択です。
問題は、それを知らずに発注した場合です。
実際に起きやすいのは次の状況です。
- 原稿が用意できず制作が止まる — 「テキストをください」で数週間止まる
- 競合LPの構成をなぞっただけになる — 自社の強みが反映されない
- 修正回数に上限がある — 2回目以降は追加費用
- スマホ表示が最適化されていない — PCデザインの縮小版になっている
- 計測タグが入っていない — 成果が測れず、改善のしようがない
最後の1つは特に確認してください。
計測が入っていないLPは、良し悪しを判断する材料が一切残りません。
4. 公開後にかかる費用
LPは作って終わりではありません。
公開後にA/Bテストで改善していく前提で予算を組む必要があります。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| ファーストビューの差し替え | 3〜10万円 |
| セクション追加・順序変更 | 5〜15万円 |
| A/Bテストの設計・運用 | 月5〜15万円 |
| 全面リニューアル | 初回制作費と同等 |
広告を配信するなら、制作費と別に改善費用を確保しておいてください。
初回で当たることは稀で、2〜3回の改善を経て数字が安定するのが通常の流れです。
5. 見積もり確認チェックリスト
- ☐ 構成設計は含まれるか(自社で用意する必要はあるか)
- ☐ ライティングは含まれるか(原稿は誰が書くか)
- ☐ 写真・素材は誰が用意するか(有料素材の費用負担)
- ☐ 修正回数の上限と、超過時の費用
- ☐ スマートフォン専用の調整が含まれるか
- ☐ 計測タグ(GA4・広告タグ)の設置が含まれるか
- ☐ 公開後の修正対応の条件と費用
- ☐ 制作物の権利とデータの引き渡し(デザインデータをもらえるか)
- ☐ 納期と、遅延した場合の扱い
8番目は見落とされがちですが重要です。
デザインデータを渡してもらえないと、別の会社に改修を頼めなくなります。
6. よくある質問
Q. テンプレートを使えば安くなりますか? A. 安くなります。
ただし安くなるのはデザイン工程だけで、構成設計とライティングの費用は変わりません。
そこが費用の半分を占めるため、思ったほど総額は下がりません。
Q. 相見積もりは何社取るべきですか? A. 3社程度です。
ただし同じ条件(構成・原稿の担当範囲)を伝えて見積もりを取ってください。
範囲が違うまま金額だけ比べても意味がありません。
Q. 広告を出す前提なら、どのくらいの費用をかけるべきですか? A. ひとつの目安は、初月の広告費と同程度です。
月50万円の広告費を投じるなら、LPに50万円かけても、成果が1.5倍になれば十分回収できます。
逆に広告費が月10万円なら、まずは既存ページの改修から始めるほうが合理的です。
Q. 制作会社と広告代理店、どちらに頼むべきですか? A. 広告を配信する前提なら、運用も見る会社に一貫して頼むほうが改善が早くなります。
制作と運用が分かれていると、成果が出ないときに責任の所在が曖昧になり、改善が止まりがちです。
まとめ
- 相場は30〜100万円。 10万円台は「デザインと実装のみ」が前提
- 価格差の正体は構成設計とライティング。 費用の約半分がここ
- 改善費用を含めて予算を組む。 初回で当てるものではない
この記事について
- 執筆:合同会社Nexum(広告運用・Web制作支援)
- 最終更新:2026年8月28日
- 制作方法:自社のLP制作業務で用いている工程・見積もり項目と、Google広告公式のランディングページ品質基準をもとに構成しています。記載の金額は業界一般の相場感です。
