SNS運用代行の費用相場は、月10万〜50万円が中心帯です。
この幅の正体は、「投稿を作るだけ」なのか「数字を見て改善するところまで」なのかという依頼範囲の違いです。
注意すべきは、安い契約ほど「投稿代行」になりやすいこと。
毎月決まった本数の投稿が納品されるものの、数字が改善しないまま1年が過ぎる、という状態が起こります。
この記事の要点
- 相場は月10万〜50万円。差は投稿本数ではなく分析と改善が含まれるか
- 投稿代行と運用代行は別物。契約前に線引きを確認する
- フォロワー数を目標にすると失敗する。指標を分解して契約する
1. 価格帯別にできること

図1:金額差は投稿本数ではなく、任せられる工程の範囲で決まる。
| 価格帯(月額) | 含まれる範囲 | 想定される状態 |
|---|---|---|
| 5〜10万円 | 投稿の制作・投稿代行 | 発注側が方針を決める |
| 15〜30万円 | 上記+アカウント設計・分析・改善提案 | 最も多い価格帯 |
| 40万円〜 | 上記+撮影・動画制作・広告連携 | 制作まで一括で任せる |
最も多いのは15〜30万円帯です。
ここが「数字を見て改善してもらえる」最低ラインになります。
2. 投稿代行と運用代行の違い
同じ「SNS運用代行」という名前でも、中身はまったく違います。
| 投稿代行 | 運用代行 | |
|---|---|---|
| 納品物 | 投稿データ | 投稿+分析レポート+改善提案 |
| 評価軸 | 投稿本数 | 保存率・リーチ・遷移数などの指標 |
| 打ち合わせ | 内容確認のみ | 数字の振り返りと次月の方針 |
| 向いている場合 | 方針が固まっており、手が足りない | 何をすべきかから相談したい |
投稿代行が悪いわけではありません。
社内に方針を決められる人がいて、制作の手だけが足りない場合は、合理的な選択です。
問題は、運用代行のつもりで投稿代行を契約してしまうこと。
毎月きれいな投稿は納品されるのに、数字が動かない。
この状態が最も多いミスマッチです。
3. 費用の内訳
月額費用の大半は、制作ではなく人の時間です。
| 項目 | 含まれることが多い | 別途になりやすい |
|---|---|---|
| 投稿の企画・構成 | ● | |
| 画像・バナーの制作 | ● | |
| キャプション作成 | ● | |
| 投稿の実行・スケジュール管理 | ● | |
| 月次レポート | ● | |
| 定例ミーティング | ● | |
| 写真・動画の撮影 | ●(1回3〜15万円) | |
| リールなどの動画編集 | ●(1本1〜5万円) | |
| 広告配信の運用 | ●(広告費の20%前後) | |
| コメント・DMの対応 | ● |
とくに確認すべきは、撮影と動画編集の扱いです。
リールが新規獲得の主戦場である以上、動画が作れない契約では伸びしろが限られます。
また、コメント・DM対応が含まれるかも確認してください。
問い合わせが来ても返せない状態だと、機会損失になります。
4. 成果が出ない契約の特徴
次の条件に当てはまる契約は、成果が出にくい傾向があります。
フォロワー数だけを目標にしている
フォロワー数は増減の理由が分からない指標です。
目標にすると、購入意欲のない層を集める施策に流れます。
分解して見るべき指標は次のとおりです。
- 保存率(保存 ÷ リーチ)— 目安3%
- ホーム率(フォロワーのうち投稿を見た率)— 目安40〜50%
- プロフィールアクセス率 — 目安2〜3%
- フォロワー転換率 — 目安6〜8%
詳しくは「Instagram運用のコツ」で解説しています。
レポートが数字の羅列で終わっている
インサイトのスクリーンショットを貼っただけのレポートは、作業報告です。
「なぜその結果か」「次に何をするか」がなければ、改善は起きません。
投稿本数だけが契約に書かれている
「月12投稿」のような本数の約束だけがあり、内容の方針や改善の取り決めがない契約は、投稿代行になります。
他社と同じ内容を使い回している
テンプレートをそのまま流用した投稿は、どのアカウントでも同じように見えます。
その業界での差別化になりません。
5. 依頼前に決めておくこと
発注側が決めておかないと、代行会社も動けません。
- ☐ 目的(認知拡大/問い合わせ獲得/採用/既存顧客との関係維持)
- ☐ どの面で伸ばすか(リールで新規獲得か、ストーリーズで関係維持か)
- ☐ 誰に向けたアカウントか(顧客像)
- ☐ 素材の提供体制(写真・商品・現場の撮影が可能か)
- ☐ 確認・承認のフロー(誰が何日以内に確認するか)
- ☐ 撮影の要否と頻度
- ☐ コメント・DM対応をどちらが行うか
「とりあえずSNSをやりたい」の状態で依頼すると、目的が定まらないまま投稿だけが積み上がります。
最低でも目的だけは決めてから相談してください。
6. よくある質問
Q. 何か月で成果が出ますか? A. 最低6か月は見てください。
SNSはアカウントの評価が蓄積される仕組みのため、短期では判断できません。
3か月は方針の検証期間、そこから改善して伸ばす、という流れが現実的です。
Q. 複数のSNSを同時に依頼すべきですか? A. 最初は1つに絞ることをおすすめします。
分散すると、どの面も中途半端になります。
顧客がいる媒体を1つ選び、勝ちパターンが見えてから広げてください。
Q. 広告も一緒に依頼したほうがいいですか? A. 目的によります。
オーガニック投稿は時間がかかる一方、広告は即効性があります。
早く成果が必要なら広告、資産を作りたいならオーガニック、という使い分けです。
両方を同じ会社に任せると、勝った投稿をそのまま広告に転用できる利点があります。
Q. 途中で解約できますか? A. 契約条件によります。
最低契約期間と解約予告期間を、必ず契約前に確認してください。
3か月〜6か月の縛りがある会社が一般的です。
まとめ
- 相場は月10万〜50万円。 差は本数ではなく、分析と改善が含まれるか
- 投稿代行と運用代行を区別する。 契約前に線引きを確認する
- フォロワー数を目標にしない。 指標を分解して契約する
代行会社の選び方そのものは、広告の場合と共通する部分が多くあります。
「広告代理店の選び方」も参考になります。
この記事について
- 執筆:合同会社Nexum(SNS運用代行・広告運用)
- 最終更新:2026年8月28日
- 制作方法:自社のSNS運用代行業務で用いている見積もり項目・KPI設計をもとに構成しています。記載の金額は業界一般の相場感であり、個別の見積もりは条件により異なります。
